巻層雲
巻層雲は、上層雲に分類される薄いベール状の雲で、太陽や月の周りに暈(かさ)を生じさせることが多い。

- 分類
- 上層雲
- 分布
- 世界中
解説Overview
巻層雲(けんそううん、英: Cirrostratus、略号: Cs)は、国際雲図帳における雲属の一つで、上層雲に分類される。高度約6,000メートルから13,000メートルに発生し、氷晶からなる。薄い白いベール状または膜状の外観で、しばしば空全体を覆う。太陽や月が透けて見えることが多く、その周囲に暈(かさ)と呼ばれる光の輪を生じる。これは雲を構成する六角柱の氷晶が光を屈折させるために起こる。暈は巻層雲の典型的な特徴であり、天気の変化を予測する手がかりとされる。巻層雲は、温暖前線の接近に伴って現れることが多い。暖かい空気が冷たい空気の上に乗り上げる際、上層で氷晶が成長して巻層雲が形成される。そのため、巻層雲の出現は、数時間から十数時間後に雨が降る前兆であることがある。また、巻層雲は巻雲から変化してできることもあり、巻雲が集まって薄い層を形成する。巻層雲が厚みを増すと、高層雲や乱層雲へと変化し、降水をもたらすことがある。観測上、巻層雲は太陽の位置がわかる程度の薄さであることが多く、高層雲(太陽がぼんやり見える)や乱層雲(太陽が見えない)との区別は、雲の厚さと太陽の見え方による。巻層雲は、その薄さゆえに写真撮影ではとらえにくいが、空全体が白っぽく霞むことで確認できる。日本では、古くから「かさ雲」や「月のかさ」として親しまれ、天気の変わり目を示す雲として認識されてきた。現代でも、気象庁の観測指針において、巻層雲は上層雲の代表的な雲属として扱われ、その出現は天気予報の重要な要素となっている。
伝承・史料Lore
観天望気の指標: 巻層雲に暈が現れると、低気圧や前線の接近を示すことがあり、昔から雨の前兆として言い伝えられてきた。
俳句の季語: 巻層雲自体は季語ではないが、関連する「かさ雲」や「月の暈」は秋の季語として詠まれることが多い。
国際雲図帳の記載: 国際雲図帳(WMO)では、巻層雲は「薄い白っぽいベールで、太陽や月の輪郭がぼやけずに見える」と定義されている。
出典・参考文献References
- 『International Cloud Atlas』 World Meteorological Organization (WMO) 2017 — WMO 国際雲図帳 該当雲属(cirrostratus)(2026-09-19)
- 『雲のカタログ』 村井昭夫・鵜山義晃(草思社) 2011 — 空がわかる全種分類図鑑。全雲形の写真と分類
- 『雲を愛する技術』 荒木健太郎(光文社) 2017 — 雲の生成と見分け方
- 『一般気象学』 小倉義光(東京大学出版会) 1999 — 第2版。雲と降水の物理
- 『予報用語(気象庁)』 気象庁 — 気象庁 予報用語 目次(雲・天気の用語)(2026-09-19)
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よくある質問FAQ
巻層雲と巻雲の違いは何ですか?
巻雲は個々の雲が糸状や房状に分かれて見えるのに対し、巻層雲は空全体を覆う薄いベール状で、太陽や月の周りに暈を生じることが多い点が異なります。
巻層雲が見られると雨が降りますか?
巻層雲は温暖前線の接近に伴って現れることが多く、数時間から十数時間後に雨が降る前兆となることがあります。ただし、必ずしも降水に至るわけではありません。
巻層雲の高度はどのくらいですか?
通常、約6,000メートルから13,000メートルの上層に発生します。
最終更新: · 編集: そらのなまえ 編集室