放射状雲

ほうしゃじょううんhoushajouun

放射状雲とは、平行な帯状の雲が遠近感によって一点から放射するように見える雲の変種である。

放射状雲のイメージ
イメージ画(当サイト制作)
分類
雲の変種(国際雲図帳)
分布
世界各地

解説Overview

放射状雲(ほうしゃじょううん、英: radiatus)は、国際雲図帳(WMO)で定義される雲の変種の一つである。雲の帯が互いに平行に並び、広い範囲にわたって伸びるため、地平線近くの一点から放射状に広がっているように見える。この見かけの放射は遠近法によるもので、実際の雲の帯は平行である。

国際雲図帳では、放射状雲は「互いに平行な帯または筋からなり、その帯が広い範囲にわたって伸びているため、地平線上の一点または対日点から放射しているように見える雲」と定義される。放射状の中心は、太陽の反対側の対日点であることが多い。この変種は、巻雲、巻積雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲、層雲など、複数の雲属に付加される。

日本では、気象庁の観測指針においても放射状雲の名称が用いられている。気象庁『雲の観測と分類』(国際雲図帳2017年版準拠)では、放射状雲は雲の変種として扱われ、その形状が記載されている。

放射状雲の見え方は、雲の帯が平行であっても、観測者から見た遠近感によって放射状に見える。特に日の出や日の入り前後、太陽が低い位置にあるときに、対日点を中心とした放射状の帯が目立つことがある。このような雲は、天気の変化を示す指標として観察されることもあるが、放射状雲自体が特定の気象現象を直接示すものではない。

類似の用語に「放射雲」があるが、これは積乱雲の頂部から放射状に広がる雲を指すことがあり、放射状雲とは異なる。放射状雲はあくまで雲の変種であり、雲属や種とは独立した分類である。

放射状雲は、その形状から「放射状」と呼ばれるが、実際の雲の帯は平行である。このため、観測地点によっては放射状に見えないこともある。また、放射状雲の中心は、必ずしも地平線上の一点とは限らず、上空の一点であることもある。

国際雲図帳では、放射状雲は「radiatus」というラテン語名で記載され、英語では「radiate」や「rayed」とも表現される。日本語では「放射状雲」のほか、「放射雲」と呼ばれることもあるが、気象庁の用語では「放射状雲」が正式である。

放射状雲は、その形状が特徴的であるため、写真撮影の対象となることも多い。しかし、その定義はあくまで見かけの形状に基づくものであり、雲の物理的な性質を表すものではない。観測の際には、他の雲の特徴と合わせて総合的に判断する必要がある。

放射状雲の観測例は、世界各地で報告されている。特に、巻雲や巻積雲が放射状に広がる例が多く、高空の風向きを推測する手がかりとなることがある。また、層積雲や積雲が放射状に見える場合は、大気境界層の乱流や風の収束に関連している可能性がある。

放射状雲は、国際雲図帳に基づく分類の一部であり、気象庁の観測指針にも記載されている。その名称は、雲の形状を的確に表しており、観測者にとってわかりやすい用語である。

伝承・史料Lore

国際雲図帳の定義: 放射状雲は、平行な帯が放射状に見える変種として、1956年版の国際雲図帳から記載されている。

気象庁の観測指針: 気象庁『雲の観測と分類』では、放射状雲は巻雲、巻積雲、高積雲などに付加される変種として説明されている。

対日点との関連: 放射状雲の中心は、太陽の反対側の対日点であることが多く、夕暮れ時に見られることがある。

出典・参考文献References

  1. International Cloud Atlas World Meteorological Organization (WMO) 2017WMO 国際雲図帳 該当雲属(cirrus)2026-09-19
  2. 雲のカタログ 村井昭夫・鵜山義晃(草思社) 2011空がわかる全種分類図鑑。全雲形の写真と分類
  3. 雲を愛する技術 荒木健太郎(光文社) 2017雲の生成と見分け方
  4. 一般気象学 小倉義光(東京大学出版会) 1999第2版。雲と降水の物理
  5. 予報用語(気象庁) 気象庁気象庁 予報用語 目次(雲・天気の用語)2026-09-19

ランキング順位Rankings

よくある質問FAQ

放射状雲はどのような雲ですか?

放射状雲は、平行な帯状の雲が遠近感によって一点から放射しているように見える雲の変種です。

放射状雲はどの雲属に見られますか?

巻雲、巻積雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲、層雲など、複数の雲属に付加されます。

最終更新: · 編集: そらのなまえ 編集室