断片雲
断片雲は積雲や層積雲の一部が分裂した小片で、国際雲図帳では雲種の一つとして扱われる。

- 分類
- 雲種(fractus)
- 分布
- 世界中
- 高度帯
- 低層〜中層
- 降水
- 通常なし
解説Overview
断片雲は、国際雲図帳(WMO)における雲種の一つで、ラテン語の「fractus」に由来する。日本語では「断片雲」のほか、「ちぎれ雲」「かけら雲」とも呼ばれる。気象庁の観測指針では、積雲や層積雲が風や乱流によって分裂し、不規則な小片となった状態を指す。雲片は細長く引き裂かれた形や、綿くずのようにほつれた形をとることが多い。
断片雲は、主に積雲(Cu)や層積雲(Sc)の変種として現れる。たとえば「積雲 fractus」や「層積雲 fractus」と表記される。高度帯は低層が中心だが、中層に現れることもある。発生過程は、既存の雲が強い風や鉛直シアーによって分断される場合や、湿度の高い層が乱流混合で細かくちぎれる場合がある。断片雲自体は降水を伴わないことが多いが、発達した積乱雲の下に現れる断片雲は、突風や降雨の前兆となることがある。
断片雲は、その形が定まらないため、観測者によって見え方が異なる。古くは「ちぎれ雲」として、天気の変化を読む手がかりとされてきた。近代気象学では、雲の分類体系の中で明確に位置づけられ、国際雲図帳2017年版にも記載されている。日本では、気象庁の『雲の観測と分類』や予報用語において、断片雲という用語が用いられる。
現代では、断片雲は単独で観測されることは少なく、親雲の存在とセットで記録される。写真撮影の対象としては、青空に浮かぶ小さな断片雲が情緒的な題材となることがあるが、気象学的には親雲の状態を知る手がかりとして重要である。また、断片雲が速く流れるときは、上空の風が強いことを示す。
断片雲の名称は、地域によって「ちぎれぐも」「はぐれ雲」などとも呼ばれる。しかし、気象庁の正式用語としては「断片雲」が用いられる。断片雲は、積雲や層積雲の一部が分裂したものであるため、単独で分類されることはなく、あくまで親雲の付随的な特徴として扱われる。
観測の際には、断片雲の形状、移動方向、親雲との位置関係を記録することが推奨される。断片雲は、天気図上では表現されないが、現地観測では重要な指標となる。たとえば、積乱雲の下に断片雲が観測される場合、下降流によって生じた冷気プールの存在を示唆することがある。
断片雲は、その名の通り「断片」であるため、雲の分類の中でも特に不安定な存在である。しかし、その形状や動きから、大気の状態を読み取る手がかりとして、気象観測において一定の意義を持つ。
伝承・史料Lore
古来の呼称: 日本では古くから「ちぎれ雲」と呼ばれ、天気俳句の季語としても用いられた。
観測記録: 江戸時代の気象記録には、断片雲のような細かい雲の記述が見られることがあるが、正式な分類は近代以降である。
国際雲図帳: 1939年の国際雲図帳で「fractus」が雲種として採用され、断片雲の位置づけが国際的に統一された。
出典・参考文献References
- 『International Cloud Atlas』 World Meteorological Organization (WMO) 2017 — WMO 国際雲図帳 該当雲属(cumulus)(2026-09-19)
- 『雲のカタログ』 村井昭夫・鵜山義晃(草思社) 2011 — 空がわかる全種分類図鑑。全雲形の写真と分類
- 『雲を愛する技術』 荒木健太郎(光文社) 2017 — 雲の生成と見分け方
- 『一般気象学』 小倉義光(東京大学出版会) 1999 — 第2版。雲と降水の物理
- 『予報用語(気象庁)』 気象庁 — 気象庁 予報用語 目次(雲・天気の用語)(2026-09-19)
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よくある質問FAQ
断片雲とは何ですか?
積雲や層積雲の一部が分裂してできた小片の雲です。
断片雲は降水をもたらしますか?
通常は降水を伴いませんが、積乱雲の下に現れる場合は降雨の前兆となることがあります。
断片雲の別名は?
「ちぎれ雲」「かけら雲」とも呼ばれます。
最終更新: · 編集: そらのなまえ 編集室