ひつじ雲
ひつじ雲は中層に現れる白色の斑状雲で、別名を高積雲という。気象庁の分類では主に十種雲形の一つに数えられる。

- 分類
- 高積雲(Altocumulus)
- 分布
- 世界各地の中層雲として観測される
- 高度帯
- 中層(約2km〜7km)
- 外観
- 白色の斑状・雲片状・波状
- 降水
- 通常は降水なし
解説Overview
ひつじ雲は、空の中層に現れる白色の斑状または雲片状の雲である。別名を高積雲(こうせきうん、Altocumulus)といい、国際雲図帳や気象庁の雲分類では十種雲形の一つ「高積雲」に分類される。
名前の由来は、多数の小さな雲片が群れて並ぶ様子を羊の群れに見立てたことによる。日本では古くから親しまれてきた呼び名で、気象学の用語としての「高積雲」と、日常語としての「ひつじ雲」が併存している。地域によっては「むら雲」「まだら雲」などと呼ばれることもある。
ひつじ雲は、高さおよそ2kmから7km程度の中層に発生する。個々の雲片は比較的小さく、白から灰色がかった色をしている。雲片の間には隙間があり、青空が覗くことが多い。雲全体としては、波状や帯状に広がることがある。
発生の仕組みは、中層の大気に弱い上昇気流や波動が生じ、水蒸気が凝結することによる。低気圧や前線の接近に伴って現れることが多く、天気が下り坂に向かう兆候として知られる。また、ひつじ雲が出た翌日は天気が崩れるという言い伝えもあるが、これは必ずしも科学的に立証されたものではない。
ひつじ雲とよく似た雲に「うろこ雲」や「いわし雲」がある。これらはいずれも高積雲または巻積雲の俗称で、使われる地域や文脈によって指す雲が異なることがある。気象庁の分類では、ひつじ雲は高積雲、うろこ雲やいわし雲は巻積雲に分類されることが多いが、両者は高度や雲片の大きさで区別される。
現代では、ひつじ雲は天気予報の参考情報としてだけでなく、その美しい姿から写真撮影の対象としても人気がある。気象庁の観測資料や教育現場では、十種雲形の一つとして学習される。
伝承・史料Lore
日本での呼称: 「ひつじ雲」は古くから使われてきた俗称で、江戸時代の文献にも「羊雲」の名が見られる。
天気ことわざ: 「ひつじ雲が出ると雨が近い」といわれ、観天望気の指標として親しまれてきた。
地域差: 西日本では「むら雲」、東日本では「まだら雲」と呼ぶ地方がある。
出典・参考文献References
- 『International Cloud Atlas』 World Meteorological Organization (WMO) 2017 — WMO 国際雲図帳 該当雲属(altocumulus)(2026-09-19)
- 『雲のカタログ』 村井昭夫・鵜山義晃(草思社) 2011 — 空がわかる全種分類図鑑。全雲形の写真と分類
- 『雲を愛する技術』 荒木健太郎(光文社) 2017 — 雲の生成と見分け方
- 『一般気象学』 小倉義光(東京大学出版会) 1999 — 第2版。雲と降水の物理
- 『予報用語(気象庁)』 気象庁 — 気象庁 予報用語 目次(雲・天気の用語)(2026-09-19)
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よくある質問FAQ
ひつじ雲とうろこ雲の違いは何ですか?
ひつじ雲は高積雲、うろこ雲は巻積雲に分類されることが多く、高度や雲片の大きさで区別されます。ひつじ雲は中層(2〜7km)、うろこ雲は上層(5〜13km)に現れる傾向があります。
ひつじ雲が出ると雨が降りますか?
ひつじ雲は低気圧や前線の接近に伴って現れることが多く、天気が下り坂に向かう兆候とされますが、必ず雨が降るわけではありません。
ひつじ雲の名前の由来は?
多数の小さな雲片が群れて並ぶ様子を羊の群れに見立てたことから「ひつじ雲」と呼ばれるようになりました。
最終更新: · 編集: そらのなまえ 編集室